なでしこジャパン国民栄誉賞

女子サッカー、日本代表なでしこジャパンが国民栄誉賞を受賞した。

違和感が抜けない。

東日本大震災で沈みがちだった日本に勇気を与え、元気づけた。

本当だろうか。

元気をなくしたのは政府であり、元気を貰いたいのは政府ではないのか。

菅直人の顔を見ているとそんな気がしてならない。

国民栄誉賞というのはある程度そういう性質のものであるけど、今回は酷すぎる。

東日本大震災があった、女性が日本を元気にする。

声を大にして反対できないような美辞文句を並べているようにしか思えない。

テレビももろ手を挙げて大喜び。

街角や被災地で人々にインタビューして如何にも日本中が大喜びしているように煽る。

ああいうものは自分たちに都合の良いものばかりを集めて流せば良いのだ。

見ていて恐ろしくなる。

決して恵まれない環境の中で世界の強豪を打ち破りチャンピオンになったことは素晴らしい。

だが、それとこれとは話が違う。

ワールドカップ前にいったいどれだけの人が注目していたのだろうか。

仮に決勝戦を見たとして、その後どれだけの人が見続けるのか。

一過性のことではないのか。

それは国民栄誉賞を送ることによって変わることなのか。

昨今のランニングブームは高橋尚子が国民栄誉賞を受けたから起こったことなのだろうか。

過去の受賞者を見た時、森繁久彌や森光子は好き嫌いは別にして長く活躍してきた。

長く国民に親しまれてきたということに異論はない。

サザエさんしかりだ。

テレビで柔道の山下泰裕がロサンゼルス・オリンピックで金メダルだってことだけを取り上げていた。

怪我をおして決勝戦を戦ったと。

そうじゃないだろう。

彼は超人的な連勝記録を更新していた。

しかも柔道という国技とも言えるようなもので。

東京オリンピックで日本の代表的な競技として世界に差し出したものだ。

“道”は長く日本人の心に深く根差したものだ。

彼の無敵とも思われる強さは日本人の誇りとも言えたわけだ。

しかも彼は全盛期であったモスクワ・オリンピックには国策の影響を受けて出られなかったわけだ。

文字どおり泣く泣く。

それらを経て、尚且つ最後に怪我をしてだ。

千代の富士にしても長い積み重ねがあってだ。

記録は抜かれたが当時は千勝というのは凄い記録だった。

しかも連勝記録で盛り上がったあとだった。

今、八百長問題で揺れている相撲も当時は国民的人気だった。

物差しで計れるわけじゃない。

だが、盛り上がりという点で説得力がない。

王貞治のホームラン記録も、千代の富士の千勝も徐々に盛り上がっていくというものがあった。

じゃ単発の大会では不利ではないかということになる。

例外的にはオリンピックがある。

オリンピックはともかく注目される。

だからここでの成績は重みが違う。

最初から国民が注目している大会だ。

そこでの成績は重みが違う。

成績だけで言うなら柔道の野村だって貰っておかしくない。

3連覇の野村より成績は落ちるものの田村亮子だって国民の注目、そして2連覇という記録は立派だ。

本人は現役なので辞退したのかもしれないけど、水泳の北島康介だって超人的結果を残してきた。

「水泳日本」などと言われてきた日本でも彼の成績はずば抜けている。

彼が現役引退後に国民栄誉賞をという声はなかなか上がらないのではないだろうか。

もちろん、競技の結果だけを見て判断はしにくい。

高橋尚子は受賞して野口みずきは貰えない。

なんとなく雰囲気として分からないではないけれど。

では、今回の”なでしこジャパン”がそれに値するのかということだ。

サッカー女子のワールドカップがどういうものであるか、管直人も全然分かっていなかったのではないか?

国民の多くはさほど認識していなかったはずだ。

WBCの優勝とどちらが大きいのだ?

しかもWBCは2連覇だ。

あの時の注目度は今より劣っていたのか?

変な話、ちょうど良い具合にに東日本大震災があった。

それと変な風にリンクさせてしまったようにしか思えない。

一方で被災地以外の地域では震災直後の緊張感が薄らいでいるのではないかと言われていたりする。

緊張感がないのは政府かもしれないけど。

変な風にだけ利用しているように思えて仕方がない。

なんだか、そうでもないことをやたらに騒ぎ立てているように思えてしまうのだ。

まるでそれを支持しないとおかしいというように。

場合によったら非国民とでも言われかねないような。

これは待遇の良くないスポーツに日が当たる良いきっかけだ?

別に国民栄誉賞はいらないと思うのだけれど。

そうではなくて、ちゃんと地に足をつけてそういうものに力を入れるようにすべきなのではないか。

途中でピンはねされるとかという理由かしらないけど、振興費を削ってやれ仕分けだと言っていたのに、急にそちらにお金を回すって納得できない。

それで暫くすればそんな気分も忘れてしまうんだ。

ただこの場だけの盛り上がりという感じがしてならない。

実際に強化に力を入れれば、結果が出てくることは良くある。

フィギュア・スケートしかり、体操しかり。

水泳だって北島だけじゃなく、他にも世界に通用する選手が何人もいる。

一時期はそうでもなかったんだ。

ただ受けが良いから日の当らなかったスポーツにもお金が回るように配慮するというのではなく、きちんとしたビジョンを持ってやって欲しい。

それであれば国民栄誉賞なんていらないんだ。

そして、マスコミ。

ただのお祭りとして騒ぐだけ。

ここもまるで偏向報道のような感じで展開されている。


インタビューを聞いていて気分が悪くなる。


「好きで諦めなければ、結果はついてくる」だあ?

じゃ他のチームの人はそうじゃなかったのかよ。

1位のチームだけなのかよ。

それこそ1番じゃなきゃだめなのかってことだよ。

諦めなければ、って。

子供に教えるって親がいたけど、自分は恥ずかしくないのかよ。

自分は沢選手と同じなのかよ。

「普通はできないよね」ってのが本当じゃないか。

まるで自分の手柄みたいに。

勇気を貰っただ?

ただその瞬間にナショナリズムが満たされただけじゃないか。

自分のことは自分の世界でのことだよ。




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